「デコパージュ」については、みなさんもうご存知ですよね。
切り抜いた紙を、家具や布に貼り付けてコーティングして仕上げるハンドメイド技法です。
デコパージュは、フランス語の「切り抜く」が語源で、新品の物だけでなくお気に入りのアイテムをリメイクしたい時にも活用できます。
手軽にできてデザイン豊富なデコパージュですが、実は平面だけでなく立体でも楽しめます。
「どうやって作るの?」と思いますよね。
立体的に仕上げる方法はいくつかありますが、今回はその中でもよく使われる代表的な2つの技法をご紹介します。
表現の幅が広がって、デコパージュがもっと楽しくなりますよ♪
デコパージュを立体加工するための技法
1.ソスペーゾトラスパレンテ
ソスペーゾトラスパレンテとは
こちらは、ソスペーゾトラスパレンテの技法が使われたジューンブライドをテーマにした3D作品です。幾重にも重なる花びらのウェディングドレスに、思わず見惚れてしまいますね。
「ソスペーゾトラスパレンテ(Sospeso Trasparente)」は、イタリア生まれの平面を半立体にできる技法です。 フィルムを熱形成して立体的に見えるように重ねながら制作します。
こちらの技法で作られた作品は繊細で透明感があり、耐久性にも優れています。
光沢感が魅力的で、立体的な仕上がりから、コサージュやネックレスなどのアクセサリーも制作できます。
ソスペーゾトラスパレンテのやり方
ソスペーゾトラスパレンテは、熱形成できる専用のフィルムシートを使用します。透明なシートにペーパーナプキンをデコパージュし、乾いたらモチーフの形に切り取ります。
エンボスヒーターやろうそくの火などで熱を加えます。柔らくなったら、モデラ―で立体的にしたい箇所をぐりぐりと押します。こうすることによって、絶妙なカーブや丸みが生まれます。
その後、立体的な形になるように、パーツを組み立てながら貼り付けたら完成です。
2.ルプゼ技法
ルプゼ技法とは
こちらはルプゼ技法を用いて作られた、凱旋門のインテリアパネルです。
ルプゼ技法は「クッキールプゼ」とも呼ばれます。ペーパーナプキンを接着する前に、裏に紙粘土を入れて土台に貼り付けて、立体感を出す技法です。
ソスペーゾトラスパレンテは、ペーパーの重なり合う美しさを特徴としましたが、ルプゼ技法はぷっくりとした可愛らしい立体感を演出したいときにオススメです。
思わず指でなぞりたくなってしまうような見た目で、子供心を刺激します。
ルプゼ技法のやり方
ペーパーを2枚用意したら、表面にシーラー(プリント保護剤)を塗ります。何度か塗り、乾かす作業を繰り返して、表面に傷が付かないように厚くします。
膨らませたい部分をカットしたら、1枚は土台に貼り、もう1枚は上から重ねた時に馴染むよう、縁をマーカーでなぞります。
上から乗せる方のペーパーに、グルー(デコパージュ専用のり)を付け、形に添って立体感が出るように粘土を詰めます。詰め終わったら粘土の表面にグルーを付けて、土台に貼り付けます。
モデラ―で凹凸が出るよう表面を固めたら、仕上げにコーティング剤を塗って艶を出して完成です。
1枚重ねを「1枚ルプゼ」、2枚重ねになると「2枚ルプゼ」と言います。3枚、4枚、5枚と重ねていくとよりリアルな立体感が表現できますよ。
3Dデコパージュの作品集
立体感が魅力的な3Dデコパージュを、季節に合わせて作ってみましょう。オリジナリティがあって、完成度の高いデコパージュ作品をご紹介します。
春
イースターの壁飾り
こちらは、教会の窓をイメージしたフレームに、ライト付きのオーナメントをレイアウトした、イースターの壁飾りです。
春らしい色鮮やかなチューリップと、イースターモチーフの組み合わせが、シンプルに可愛く組み合わせられています。
イースターエッグは、ころんとした丸みのある立体感を出すために、ルプゼ加工を施しています。
チューリップの花びらも、立体的に見えるよう、一部が3D仕様になっています。
優しく光る灯りをともして、明るい気持ちで春本番が迎えられそうですね。
ひな祭りのフレーム飾り
春のお祭りと言えば、日本の伝統行事である「ひな祭り」があります。桃の節句に、子どもの健康や幸せを願ってひな人形を飾ります。
お祝いしたいと思いつつも、最近の住宅事情から、大きな人形をしまう場所が無かったり飾る場所に悩んでしまうこともあります。
こちらの壁飾りは、立体感がありつつ、すっきりとしたフレームに収められているので、和洋どちらの部屋にも飾れるデザインです。
置いても掛けても飾れて場所を取らないため、ご自宅用にも、ご親族へのプレゼント用にも喜ばれますよ♪
夏
紫陽花のキャンドルライト
初夏に私たちの目を楽しませて、季節を感じさせてくれる花と言えば紫陽花でしょうか。その繊細な美しさで、梅雨の長雨も悪くないと思わせてくれます。
こちらは、紫陽花のペーパーをキャンドル型のLEDライトにデコパージュした作品です。一部の花や葉のパーツを、ソスペーゾトラスパレンテで加工しています。まるで本物の花を飾っているかのようですね。
アンティーク調の見た目で、梅雨の時期をエレガントに彩ります。
ひまわりのデコレーションスタンド
夏のひまわりにヴィンテージ感をプラスした、3Dのデコレーションスタンドです。
セピアとモノクロカラーの英字新聞風なペーパーを背景に、どこか懐かしいひまわりのモチーフがよく合います。
花びらの重なりが、立体加工によってよりはっきりと表現されています。
正面だけでなく左右上下から見ても楽しめるのが、3D作品の面白さのひとつと言えます。
秋
カボチャのハロウィン飾り
愉快に笑うハロウィンのカボチャたち。今にも動き出しそうですね。
こちらの作品は、表情豊かなカボチャのペーパーを、それぞれ6枚ずつ切り取って重ねています。
縦に重ねたり、動きをつけて斜めに重ねたり……♪
あなたのお気に入りの子は見つかりましたか?
マンドレイクの人形と燭台を飾って、ハロウィンのちょっと不気味で不思議なムードが漂います。
冬
ヤドリギのキャンドルライト
こちらの作品では、立体的に加工したヤドリギをキャンドルライトに美しく添えています。ペーパーでできているとは思えない仕上がりですよね。
オリジナルの「NOEL」のラベルとお色を合わせて、上品でクリスマスらしい雰囲気を醸し出します。
葉っぱや花、蝶など、小さなパーツを立体的にして貼り付けると作品の可愛らしさがアップしますよ。
これまでの平面のデコパージュに加えて立体加工ができれば、作品の可能性は無限に広がります。
もう早速アイディアが浮かんできたでしょうか?ワクワク感や作る楽しさも増しますね♪
お近くのデコパージュ教室で、プロの先生からテクニックを教わって、完成度高く作ってみましょう!
あなたの365日を、デコパージュでますます鮮やかに彩れますように。
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